筋緊張性頭痛(緊張型頭痛)は、肩や首のこり、締め付けられるような頭の痛みを特徴とする一次性頭痛のひとつです。治療の一環として「筋弛緩薬(きんしかんやく)」が処方されることがありますが、実際にどれほどの効果があるのでしょうか?
この記事では、日本頭痛学会ガイドラインや医学論文などの一次情報に基づき、筋弛緩薬の効果・限界・副作用を正確に解説します。
筋緊張性頭痛とは
筋緊張性頭痛は「一次性頭痛」に分類され、精神的ストレスや長時間の同姿勢により頭頚部筋群が持続的に収縮し、痛みを引き起こすと考えられています。痛みは「締め付けられる」「重たい」「頭全体が圧迫される」などと表現されることが多いです。
筋弛緩薬とは
筋弛緩薬は、神経と筋肉の信号伝達を抑制し、筋肉の過剰な緊張をやわらげる薬です。緊張型頭痛では次のような薬が使われます。
一般名 | 商品名 | 作用部位 |
---|---|---|
チザニジン | テルネリン® | 中枢性(脊髄反射抑制) |
エペリゾン | ミオナール® | 中枢+末梢作用 |
トルペリゾン | ムスカルム® | 末梢性抑制 |
ガイドライン・エビデンス
1. 日本頭痛学会ガイドライン2021
「筋緊張が強い症例ではチザニジンやエペリゾンなどの筋弛緩薬の併用療法が有用」と明記されています。推奨度はB(中等度のエビデンス)で、第一選択は非薬物療法(ストレッチ・姿勢改善)とNSAIDsです。
2. 国内研究
日本神経治療学会誌(2019)では、チザニジンを用いた症例の約50〜70%で頭痛・肩こりの改善が報告されています。副作用は眠気・倦怠感・口渇などで、多くは軽度でした。
一方エペリゾンは有効例があるものの、臨床研究が限られエビデンスレベルはCとされています。
3. MSDマニュアル(海外ガイドライン)
「筋緊張型頭痛の治療は非薬物療法(理学療法・ストレスマネジメント)が基本であり、筋弛緩薬は補助的に用いられる」と記載。つまり国際的にも筋弛緩薬は補助的治療とされます。
効果が期待できるケース
- 首・肩の筋肉の硬直や圧痛が明確にある場合
- 鎮痛薬やマッサージだけでは改善が乏しい慢性例
- ストレス・姿勢要因が背景にある場合
限界と注意点
- 筋弛緩薬単独で頭痛が完治することは少ない
- 眠気・ふらつき・倦怠感などの副作用に注意
- 長期使用では肝機能障害リスクあり
- 他の中枢性薬剤(睡眠薬・抗不安薬)との併用注意
まとめ
筋弛緩薬は、筋緊張性頭痛に対して中等度のエビデンスを持つ補助的治療薬です。鎮痛薬やストレッチなどの非薬物療法と併用することで、症状改善が期待できます。
一方で「特効薬」ではなく、根本改善には姿勢・睡眠・ストレス管理が不可欠です。副作用にも留意し、医師の判断のもとで使用することが重要です。
根拠・出典
- 日本頭痛学会『頭痛の診療ガイドライン2021』
https://www.jhsnet.net/ - 日本神経治療学会誌 第36巻3号(2019)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/36/3/36_233/_pdf - MSDマニュアル家庭版「緊張型頭痛」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home - 日本内科学会雑誌 第112巻 第8号「緊張型頭痛の病態と治療」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/112/8/112_1359/_pdf
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